薬膳の中医学基礎①…薬膳は美味しい

これからこのコーナーでは、中医学に基づく薬食同源の薬膳についてお伝えします。

薬膳というと、苦かったり、味が薄くてまずい食事を連想される方も多いと思いますが、本来の薬膳は体質体調に合わせて食材や薬味を考えられた食事です。

炎天下で流れる汗をかくほどの作業のあとなど、喉が渇いてたまらないときには、ただの水を飲んでも「美味しく」感じます。小雪舞い散る寒さのなかで、冷たいお水は飲みたくなくも身体を温める生姜一片を浮かべたお湯なら「美味しく」感じることでしょう。

こんな風に「美味しさ」は、生きとし生ける物が「生命」を維持するために必要な食材や食事を「美味しく」感じるように天から与えられた大切な能力ともいえます。

かつては、狩猟の前に獲物との格闘時のエネルギー不足を防ぐため「蜂蜜」などの甘い糖分を補給していました。その本能のため、緊張すれば身体が糖分を欲すると言われています。

このように本来、人間は身体にとって必要な食べ物を本能的に「美味しい」と感じます。例えば「卵」や「穀物の種子」「骨からとった出汁（ボーンプレス）」などは、それだけで生命を育む栄養的にバランスのとれた優れた食材で、一般的には誰もが特別に「美味しい」と感じるでしょう。

このように、薬草を入れた食事にこだわることなく、体質体調に合った「美味しい」薬膳をレシピも含めご紹介させていただきます。

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