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不妊症の食事と漢方~生理痛はないのが当たり前~【後編】
「高齢不妊」などと呼ばれる40歳以上の不妊症の相談をいただく中で、多くの女性の悩みが良質の「卵」を採取できないこと。
ですが、不思議なことにお肌が潤い整ってくると卵の質も向上して、ご妊娠にいたることが多々あります。
生殖期に入った小鳥たちのさえずりが心地よく響くのと同じように、生殖能力に比例して女性としての魅力も向上するようです。
女性の月経周期ー月経期・卵胞期・排卵期・黄体期ーはそれぞれ意味を持っています。
後編の今回は、月経周期のそれぞれの意味と養生法をお伝えしていきます。
月経期の意味と養生
「月経期」は不要になって剥がれ落ちた子宮内膜を排出する時期です。
ですから、子宮にとっては「排泄」の時期と考えることができます。
この時期に大切なことは、月経血を完全に排出すること。
不要な内膜が子宮内に残ると、子宮内の血液の流れが悪くなり、月経血にレバー状の塊がみられたり、刺すような生理痛、子宮内膜症や子宮筋腫の原因になったり、豊かで柔らかい子宮内膜の形成が阻害されたりします。
不要な子宮内膜をしっかりと「排泄」するために、豊富な血液が巡っていることが大切です。
その為に積極的に摂っていただきたい食材は、棗(なつめ)、卵、生姜、にんにく、ネギなど。
おくすりでは「紅花(コウカ=べにばな)」「丹参(たんじん)」などが主薬の「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」
「当帰(とうき)」が主薬の「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」がオススメです。
また、身体を冷やさないよう心がけて、冷たい食べ物は極力控えましょう。
卵胞期の意味と養生
「卵胞期」は卵子を静かに育てる時期となります。
中医学では、受精前の卵子は「陰」の性質をもっていると考えるので、卵子をしっかり育てるには静かな環境で豊富な血液と身体を潤す食材が必要です。
この時期に摂っていただきたい食材は、卵、大豆、ほうれん草、小松菜、棗、クルミ、雑穀類、冬瓜、スッポンなど。
おくすりとしては「亀板(きばん=亀の甲羅)」「べっ甲(スッポンの甲羅)」などが主薬の「亀鹿仙」
「当帰」「地黄(じおう)」が主薬の「婦宝当帰膠」がオススメです。
卵子が育つ時間は22~3時なので、遅くとも12時前には就寝しましょう。
排卵期の意味と養生
「排卵期」は成熟した卵子が排出される時期なので、「気血」の充実が不可欠です。
理想的な排卵は低温期から高温期まで3日くらいで、体温の差が0.3℃くらいです。
また個人差がありますが、良質な卵子だと透明で粘り気の強いおりものが排出されます。
この時期に積極的に摂取していただきたい食材は、クコの実、レバー、香りのよいハーブティー、柑橘類、春菊、セロリなど。
おくすりでは「丹参」「当帰」「紅花」などなので、「婦宝当帰膠」や「冠元顆粒」がオススメ。
生活の中では散歩やストレッチ、ヨガなどで身体を動かし「気血」の流れを良くすると、スムーズに排卵しやすくなります。
黄体期の意味と養生
排卵のあとは、受精卵が着床しやすいフカフカと柔らかな子宮内膜を増殖させる時期です。
豊かな子宮内膜の維持のためには、良質で豊富な血液が必要です。
黄体期の子宮内膜は9~12㎜位の厚さが理想ですが、血液が少ないと内膜が十分に増殖しないため月経血が不足したり、血液の流れが悪いと子宮内膜症や筋腫の原因になってしまいます。
黄体期に積極的に摂っていただきたい食材は、棗、ゴマ、山芋、にんにくなど。
おくすりでは「当帰」「地黄」「人参」「山薬(さんやく=自然薯)」を主薬とした「参茸補血丸(さんじょうほけつがん)」などです。
日常生活の中でも子宮を冷やさないことが大切で、冷たい食べ物や飲み物を避け、下半身が冷えない着衣でお過ごしください。
おわりに
ご妊娠を望む望まないにかかわらず、月経周期をしっかり整えて生殖能力を高めることで、あなたが本来もっている女性としての魅力を磨いていきましょう!
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