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不妊の原因 高プロラクチン血症
高プロラクチン血症と脳腫瘍
最近のご相談から
こんばんは
1、薬膳など食養生
2、漢方の基礎の中医学
3.西洋医学
の3つの視点から
・不妊症など女性の悩みや
・アトピー性皮膚炎などのトラブル肌から美肌を目指す、
創業九十余年のイヌイ薬局の国際中医師・国際中医薬膳師の乾(いぬい)です。
私たちのイヌイ薬局(https://www.karada-no-nayami.com/)には毎年1000件以上の不妊症やアトピーの方が相談に来局されます。その相談のなかで気がついたことを、このブログで詳しくお伝えしています。今日は、昨日のご相談から「高プロラクチン血症」についてお伝えします。
最近のご相談から、29歳のNさま
結婚3年しても授かることも、妊娠の兆候もなく不妊外来を受診され、検査の結果プロラクチンが高く半年近くお手当されたけれど結果が出ないとのことで、ご主人に連れられて来局されました。
Nさまは胃腸が弱く、めまい、頭痛などの症状、中医学でいう血虚の症状とプロラクチンが高いことが妊娠に至らないおおきな原因にお見受けしました。
ご主人の理解があって、血液を補う婦宝当帰膠、プロラクチンを抑えるために炒麦芽(イリバクガ)などのお薬やハーブをご服用いただきました。そして、二週間おきに来局いただきましたが、
プロラクチンの値が下がらない
頭痛や吐き気が激しく増悪している感じ
とのことで、脳腫瘍の検査を受けていただいたところ5mm程度の脳腫瘍とのことで手術をうけられることになりました。
一般的には、高プロラクチン血症はピルや抗うつ剤、降圧剤などお薬の長期連用が無い限り、カバサール、パーロデル、テルロンなどの新薬や炒麦味などのハーブや芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)加味逍遥散(カミショウショウサン)などの漢方のお薬で比較的改善しやすいのですが、今回は自覚症状の改善が全くみられなかったので、薬剤が効果を発揮しない脳腫瘍の可能性が高いと判断しました。
以下、念のため高プロラクチン血症について、西洋医学、中医学で良く知ららていることをお伝えしておきます。
高プロラクチン血症って
最近、「高プロラクチン血症」のご相談を良くいただきます。まず、プロラクチンについて
プロラクチンは別名を催乳ホルモンといわれ、母乳分泌を促すホルモンですので、基本的には出産後の授乳中に分泌されるホルモンです。母乳の分泌を促すだけなら、妊娠を鬼謀される方にも問題はないのですが、同時に
・排卵を抑制
・子宮内膜の肥厚を抑制
してしまいます。
妊娠のためには、スムーズな排卵と柔らかくフカフカな至急内膜が必要ですからプロラクチンが分泌されてしまうと妊娠しにくくなります。授乳中に妊娠すると、母体は自身を含めて三人分の栄養を補給せねばならず負担が大きいので、母体を守るための神さまの気づかいの様に感じます。
最近は、出産の後はなるべく長く授乳されることが多いのですが、授乳中は当然プロラクチンが分泌されて排卵と内膜の肥厚を抑制する可能性が高いので、お二人目を希望される場合には妊娠の妨げる要因になってしまいます。このことが、近年のいわゆる「二人目不妊」の原因と考えられます。お二人目を希望される場合は、9~12カ月くらいを目安に計画的に断乳しておくことをお勧めします。特に、母乳は初乳はラクトフェリンなどの免疫成分が母乳中に分泌され赤ちゃんの免疫を向上させます。が、9カ月も過ぎる頃には、これらの成分の分泌は激減し炭水化物、糖質が多い母乳に変化して行きます。ですから、脳や骨が形成されっる大切な時期の赤ちゃんの発育にとっても、タンパク質やミネラル豊富で消化のよい豆類、卵類、野菜類、果物類などの離乳食に向かう方が成長を促進すると言えます。
ところで、授乳中に高プロラクチンになるのは当然ですが、授乳中以外に何故プロラクチンが分泌されてしまうのでしょう。
高プロラクチン血症の原因
プロラクチンは、本来授乳時に分泌されるホルモンですが、以下の場合にも分泌されてしまいます。
1、ストレスがかかると誤って分泌されてしまいます。
2、母性本能の刺激による分泌
3、脳に腫瘍などがあると分泌されてしまいます。
1、のストレスが原因による高プロラクチン血症は、よく店頭でも見受けられます。子育てのストレスも大きく「二人目不妊」の原因となっている場合も多く見受けられます。脳の中で物理的にストレス中枢とプロラクチンを分泌する中枢が近いために、ストレスを受けてイラついたりすると誤ってプロラクチンが分泌され高プロラクチンによる不妊症となってしまいます。
子育て中の方以外にも、ストレスの多い、看護師さん、教職員さんなどのご職業の方にも多いのが特徴です。いづれにしても、妊娠をご希望される場合は、日々こころおだやかに過ごしていただきたいものです。
2、の母性本脳が原因の高プロラクチン血症についても、店頭で良く見受けられます。また、古来から伝わる諺で
「結婚しても、妊娠するまでは犬を飼ってはいけません。」
などといわれていて、祖母の口癖でもありました。やはり、女性は「かわいい!」とおもった瞬間に本能的にプロラクチンが上昇してしまうの仕方がない反面、保母さんなどに高プロラクチン症が多いのも職業病と一口に片づけられない悩ましい問題と言えます。また、2才くらいのお子さんたちは本当にかわらしいので、親ばかも二人目不妊の原因になりやすいと言えます。
3、の脳に腫瘍が原因で高プロラクチンの方は本当にまれです。ただ、カバサールなどの高プロラクチン血症のお薬や漢方処方で、高プロラクチンに対しても全く効果が無かったり、頭痛、眩暈、吐き気などを伴う場合は是非一度受診ください。
4、お薬の副作用の場合、抗うつ剤、ピル、降圧剤などの長期服用による副作用としてプロラクチンが分泌されてしまうことがあります。
高プロラクチン血症の治療について
高プロラクチン血症の治療について。前述の3、の脳腫瘍による場合にはまず受診をおすすめします。私の店頭でも、漢方のお薬やサプリメントで脳の腫瘍が縮小したことは有りますが、その場合でも医療機関で腫瘍の状態などを検査しながらということになります。
1、2、の場合には、不妊治療の医療機関では前述のとおり製品名パーロデル(成分名プリモクリプチン)、製品名カバサール(成分名カベルゴリン)、製品名テルロン(成分名テルグリド)などのお薬がよく処方されます。また、中医学ではストレス、イライラをやわらげる加味逍遥散(カミショウヨウサン)、芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)などの漢方のお薬や炒麦芽(イリバクガ)などのサプリメントが良く処方されています。
以上、高プロラクチン血症について長々と書きましたが、最初にお伝えしたとおり頭痛や眩暈(めまい)などの症状や治療薬での改善が見られない場合は、脳腫瘍などの可能性もありますので、医療機関での検査をおすすめしています。
また、高プロラクチン血症について詳しくは拙著の電子書籍
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参照下さい。
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