中医学の歴史と薬膳

乾康彦

2021/08/31

難解な四文字の漢字がでてくる中医学ですが、わかってしまえば端的な表現で便利な熟語です。

今日は、そんな中医学の歴史をご紹介したいと思います。

中医学の始まりは、なんと紀元前２２０５年（４２２３年前）。

火の発見から調理が生まれ、お米を炊くことが生まれ、米飯が発酵しお酒になることを知り、発酵技術が広まったころに酒が医療に用いられるようになります。

「醫＝医」という文字に「酉＝酒」が使われていますので、陶磁のお薬に酒を使っていたことがうかがえます。

☆ 紀元前１６００年　食物が豊かになり、調理技術が発達し、酒剤と湯液が使われるようになりました。（煎じ薬の使用）

☆ 紀元前７７０年　疾病＝病気という言葉が出現。医療の体制が作られていく。

☆ 紀元前４３０年　「包人」「膳夫」「医師」「食医」「獣医」の職ができる。

☆ 紀元前２４６年　中国最古の医学書「黄帝内経（こうていだいけい）」が著作され、病気は祈りによってではなく漢方のお薬によって治癒させるという考えに変わっていきます。病気の治療は巫女から医師に移ります。

☆ 紀元前２０２年　中国最古の薬学の専門書「神農本草経（しんのうほんぞうきょう）」が成書される。

☆ 紀元前２００年頃　中国最古の臨床医学書「傷寒雑病論（しょうかんざつびょうろん）」が張仲景によりまとめられる。「傷寒論（しょうかんろん）」と「金匱要略（きんきようりゃく）」に分けられている。

ここから　西暦１年目以降の歴史です。

☆ 西暦６１８年　食事療法を論述した本「千金要方（せんきんようほう）」が発行される。薬膳学に専門書「食療本草（しょくりょうほんぞう）」が発行される。

☆ 西暦１２８１年　中国最初の営養学の専門書「飲膳正要（いんぜんせいよう）」が発行される。

☆ 西暦１３６８年　李時珍「本草綱目（ほんぞうこうもく）」により中医学体系がまとめられる。

世界の四大文明は、メソポタミア文明・エジプト文明・インダス文明・黄河文明とあり、その中の黄河文明として発祥した中国文明の中で中医学は発展してきました。

日本にも７世紀の初頭に遣隋使が派遣され中医学が伝わり、その後の遣唐使廃止後に中医学を基に日本の風土や民族性が反映され、日本独特の医療として発展しました。

「漢方」とは日本独自の名称で江戸時代のオランダ医学を「蘭方」と呼び、それまでの医学を「漢方」と呼んで区別し現在までに至っています。　

中医学は古代中医学思想のもとに、人体の生理、病理および疾病の予防と治療にあたってきた長期にわたる臨床経験の歴史です。

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「治療より予防、予防より養生」

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四文字の漢字が多くてとっつきにくい中医学ですが、ドラマを見る感覚で、お楽しみください。

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