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薬膳を楽しく～チャングムの誓いに学ぶ医食同源～日本人の知らない、米・中・韓で人気の高貴（こうき）薬？
韓流ドラマ チャングムの誓いに学ぶ医食同源～第七話から
①日本人の知らない、米・中・韓で人気の高貴（こうき）薬？
第七話では、主人公チャングムが親友であり好敵手であるクミョンが逃してしまった金鶏（きんけい：）を探すために宮廷外に出ていたことが見つかり、罰として薬草園へと左遷されてしまいます。その薬草園は、女官の墓場ともいわれますが、向上心、好奇心旺盛な主人公チャングムは、天井知らずと言われるくらい値上がりしている黄耆（おうぎ）の栽培に成功します。
ところが、密売をしている権力者の指示で、芽吹き始めた黄耆（おうぎ）を全てひっくり返されてしまいます。
最終的には薬草園の師匠のおかげで、栽培がすすめられます。ドラマの中で値段に天井が無いと言われるキバナオウギはアメリカでも、勿論中国でも、そして韓国でも高貴薬（こうきやく：高貴な薬草）と言われる大切な生薬です。黄耆は、豆科の植物の根ですがアメリカでも黄耆のサプリメントのアストラ８はサプリメントの中でも「免疫」が不安な方々に人気があります。
キバナ黄耆について
黄耆はマメ科の多年生植物で、 日当たりの良い山野に生え中国では
内モンゴルや河北省、 山西省、 黒竜江省、 吉林省、 甘粛省
などの地域に分布しています。
野生の花らしい素朴な淡い黄色の花を咲かせます。生薬として用いられるのは根の部分で、 春と秋に掘り出され、 よく洗った後に天日で乾燥させます。
黄耆は、中医学では
１、皮膚などの体の「表」の働きを強めて外邪の侵入を防ぐ益気固表作用（えっきこひょう）があるとされ、 結果的に免疫力を高める問われています。
風邪を引きやすい虚弱体質の人、花粉症、喘息
などの予防に効果的です。
２、身体にたまった余分な水分を排出して、浮腫みや膝の水溜りを改善する利水消腫作用（りすいしょうしつさよう）
３、気を補って各機能を活発にして、 垂れ下がった内臓（胃下垂、脱腸、子宮脱など）に力を与え、引き上げる補気昇陽作用（ほきしょうようさよう）があるとされ
胃下垂、脱腸、子宮脱などたれさがることによって生じる身体の悩みにも良く使われます。
貧しい人々を助けた青年と黄耆
黄者は、「気」を補う代表的で優れた生薬として中医学では良く処方されますが、黄耆の由来については
貧しい人々を助けた心優しい青年の逸話が残されています。
昔々中国のある村に、 お金がなくて病気になっても医者に診てもらうことができない貧しい人々に、 山から薬草を摘んできて病気を治してあげていた黄者という名前の青年がいました。 彼は、お金持ちにはさほど親切を施すさなかった為、快く思わなかったあるお金持ちが黄耆青年を捕まえて牢に入れてしまいます。ところが、牢の番人の一人息子が重い病気にかかるのですが、黄耆青年が山から薬草を摘んできて病気を治してしまう為、感謝した牢の番人に密かに逃してもらいます。かれは、遠く南の方に逃れて再び貧しい人々の病気を治しても、お金はもらわず出された食事を頂くだけだったので、村人たちは黄耆青年に感謝し、家と薬草を耕す畑をプレゼントします。黄耆青年が、その畑で栽培する薬草はわずかな種類でしたが、彼が良く使う薬草は
皮膚を引き締めて病邪の侵入を防ぎ、 気血不足を補い、ウミが出て 傷口がふさがらないデキモノにもよく効きました。 ある夜、黄耆青年は急死してしまいます。悲しんだ村人たちは、 若者をしのんで、 彼がよく使っていた薬草に黄耆青年の名前にちなんで「黄誉／オウギ」と名付けたと言われています。
マメ科キバナオウギ。多年生。薬用には根を乾燥したものを使用／学名Astragalus
membranaceus Bunge／性：微温／味：甘／帰経：牌、肺／効能：補気昇陽・益気固表・利水
※出典「原色中国本草図釦人民衛生出版社
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